導入事例:株式会社デンソー勝山様

「企業の源泉は人」─自律的なキャリア形成と対話型リーダーシップへの挑戦

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「企業の源泉は人である」という信念のもと、社員一人ひとりの自律的なキャリア形成と、それを支える管理職の対話力強化に取り組む株式会社デンソー勝山様。
管理職向けには「伝え・引き出すリーダーシップ実践プログラム」を、中堅社員向けには「キャリア研修プログラム」を導入し、人と組織が共に成長する仕組みづくりを進めています。
今回は、人財イノベーション室 部長 浪越勇一郎様と、事業変革企画室 室長 三井淳一郎様にお話を伺いました。お二人とも、管理職向けプログラムには受講者としてもご参加いただきました。


「企業の源泉は人」から始まったキャリア研修への挑戦

デンソー勝山様についてご紹介をお願いします

―三井様
当社は親会社がデンソーで、車の部品を製造している会社になります。顧客はデンソー本体であり、生産委託を受けて製造を行っています。今作っているのは、内燃機関、エンジンなどに使われるレギュレータやブラシといったものが従来は多かったのですが、徐々にEV化、ハイブリッド化が進んでいます。そうしたハイブリッド車に搭載されるDCDCコンバータという部品が、今、作っている主力製品となります。

 MeCoFaを導入頂いた背景を教えてください
―三井様
2024年頃、当時は経営機能統括部として、自分たちの役割や会社のあるべき姿について議論する機会がありました。その中で、「企業の源泉は人である」と定義づけしました。
人の成長がないと企業の成長には繋がらない。そこで、企業力を上げていく、つまり人を成長させるという点について、今自分たちができていることが、世の中の動きと合っているかを考えました。

今は個人が自立してキャリアを形成していく流れですが、当社では会社がカリキュラムを用意し、社員がそれを受講して成長していくという体質が根強く残っています。そのため、社員の方も、自分で自分のことを考えるという機会は少なかったですね。

そういった背景もあり、社員には自分の将来を描いてほしい、管理職にはメンバー一人ひとりと対話し、その人の持つ可能性を引き出してキャリア形成をしっかりサポートしてほしいと考え、キャリア研修の導入を検討しました。

複数社を比較しましたが、MeCoFaさんと話をさせていただく中で、「そういう視点もあるのか」「そういうアプローチも良いな」と気づきがあり、アウトプット重視のグループセッションに魅力を感じました。
また、代表の川上さんが岡山出身ということで、身近に感じたことや、穏やかな人柄にも良い印象を持ちました。
実施前の懸念事項や期待を教えてください
―三井様
今回のような研修は初めての試みだったため、受講後にどう定着させていくのか、また参加者がどう受け止めるのかという点に不安がありました。参加者に良い機会として前向きに捉えてもらい、日常生活や業務に活かしてもらえるかどうかも気がかりでした。
これまで、社内ではスキル研修は実施してきましたが、自分自身を振り返る機会はあまり提供できていませんでした。そのため、突然こうした研修を受けてもらうことに対して、どのような反応があるのかは正直なところ心配でした。

管理職は「部下の気持ちを引き出す」「自分ごととして伝える」という内容だったので、全員受講した方がいいだろうということになりました。
一方、中堅社員向けのキャリア研修は対象人数も多く、年代もさまざまでした。そのため、まずは主体的に手を挙げてもらう形で募集を行いました。しかし、初めての試みで内容がイメージしづらかったことや、日程のアナウンスが少し遅れてしまったこともあり、参加人数は想定より少なくなりました。そこで改めて上司に趣旨を説明し、「ぜひ受けてほしい社員」を推薦してもらう形で再募集を行いました。

ビジョンボードと対話で生まれた新しい気づき

実施してみてどうでしたか?
―三井様
中堅社員向けでは、普段あまり関わることのないメンバー同士が対話する機会が生まれ、「新しい視点や気づきを得られた」という声が多くありました。特に、ビジョンボードを作って共有できたことで、「こういう風に考えているんだ」「こんな将来を目指しているんだ」とお互いを知るきっかけになったことが良かったようです。自分のことはもちろん、周りの人と将来の姿について話す機会はなかなか無かったので、その点が印象的だったのだと思います。
管理職向けについては、もともと1on1の仕組み自体はありましたが、一部の管理職は取り組めていたものの、大多数は十分に実践できていない状況でした。

今回のプログラムは「伝える」「引き出す」という点をより実践的に学べる内容だったと感じています。伝えるためのシートや、1on1の航海ノートなどを活用しながら学ぶことで、イメージがつかめたのではないかと思います。

今まで、具体的な1on1のやり方は示していなかったので、それぞれが自分なりの方法で行っていました。今回、体系的に学ぶことで、共通の知識がついたかなと思っています。これまでも1〜2時間程度の研修はありましたが、さらっと概要を学ぶ程度でした。今回はロールプレイングも取り入れていただき、実際に体験できた点も良かったと思います。
また、最初に、ブロックで会社の将来の在りたい姿をグループごとに形にし、それを見ながら対話するワークも印象に残っています。過去にも対話の機会はありましたが、どうしても表面的に整ってしまうことがありました。今回はくだけた雰囲気の中で率直に意見を交わせたことで、認識の共有がしやすかったように感じました。
4チームそれぞれが作ったものを見ると、地域、会社の成長、人など、大事にしている本質的なところは共通しているという認識を持てたことは、個人的にも良かったです。

―浪越様
管理職が楽しそうに参加していたのが印象的でした。こうした形の研修は初めてでした。これまでは親会社が実施し、1日で完結する研修が多かったのですが、今回は4回にわたり、ストーリーを持って段階的に学んでいく構成でした。半日かけて取り組む内容でもあり、「これは本気の研修だ」と感じて参加してくれた方も多かったのではないかと思います。

現在は環境の変化も大きく、かつての勢いよく前進できた時代から、「今後どうなっていくのか」という不透明感のある状況です。管理職自身も「多様なメンバーをどう引っ張っていけばよいのか」「自分自身はどこに向かっていくのか」といったモヤモヤを抱えていたのではないでしょうか。それがこの研修のタイミングとしても非常に合っていたのではないかと感じています。

管理職が明確なイメージを持ち、それをメンバーに示していく必要がある。会社を自分たちでつくり上げていくのだという意識が芽生えたのではないでしょうか。様々な部署が集まる機会も多くはなかったので、それも刺激となり、仕事のやりがいや価値観、コミュニケーションのあり方を改めて考えるきっかけにもつながったと感じています。

「自分の人生」という視点で描く主体的なキャリア形成

参加された方の変化を教えてください
―三井様
ある中堅社員は、自分の仕事が将来どう繋がるのか、会社にどう貢献しているのかというイメージが持ちづらく、これまでは「与えられたものをやっています」という姿勢が見られました。しかし、この研修を通して、自分がやりたいことや、この会社でどういう貢献をしていくかというところを、3年後、5年後を見据えて、だんだん具体化してくれました。

以前の1on1では「仕事なのでやります」というような、どちらかというと受け身な印象でした。それが、最後にビジョンボードを作った後の面談では、目標を実現するために、「仕事でこういうことを変えていきたい」「こういう力を身につけたい」といった発言があったので、良い機会になったようです。
最初は、仕事の範囲の中で将来のことを考える場、というイメージが強かったかもしれません。また、面談などでは、どうしても今の延長線上のすぐ手が届きそうなところで考えがちです。しかし今回の研修では、仕事だけではなく「自分の人生」という大きい枠の中で考える内容だったので、発想が広がり、自分の将来の姿を大きく捉えて、考える場になったのではないでしょうか。

対話の土台を仕組みとして定着させ、事業推進力へつなげたい

今後の展望について教えてください
―三井様
今回、管理職が「引き出す」「伝える」というスキルを習得するというのが目的でしたので、知識としては身についてきましたが、研修の場は同じ目的を持つ参加者同士であるため、どうしても協力的な雰囲気があります。

それを現場で実践しようとすると、メンバーのタイプも様々ですし、必ずしもメンバー側に対話の準備が整っているとは限りません。やってみる上での困りごとというものが出てきます。それが解消されないと、今回学んだことがなかなか定着できません。まずは実践し、そこから課題を見つけてアップデートしていく。そうしたサイクルが回る仕掛けをつくっていきたいと考えています。
このサイクルがうまく回ると、中堅社員の方々も、上司との対話を通じて自分の将来像に近づいていく、といったことができるようになると期待しています。

また、今回は中堅社員のうち22名が受講しましたが、今後は対象をさらに広げて、自分の将来について自律的に考えられる社員を増やし、それを上司がしっかりサポートしていく。そういうサイクルが回っていくよう、仕組みとして定着させていきたいですね。
MeCoFaへ期待すること
―三井様
今回学んだことを、仕組みとして定着させていきたいという想いがあります。
事務部門は人数も少なく、比較的同質のメンバーが多い一方で、生産部門は人数が多く、タイプの異なるメンバーも多いため、より難しさがあるのではないかと感じています。そうした部署にも仕組みがしっかりと定着するようなアドバイスやサポートをいただければと思っています。

来年度は、会社全体の団結や一体感をテーマに、経営理念について考えるプログラムも検討しています。具体的な進め方はこれからですが、まずは管理職同士が心を合わせ、同じ方向を向ける状態を、プログラムを通してつくっていきたいですね。

もちろん、MeCoFaさんに任せるだけではなく、自分たちで取り組むべきこともあると思っています。それぞれの役割ややるべきことをすり合わせながら、より良い形を一緒に検討していければと考えています。

―浪越様
当社としては、リーダーシップの面でまだ課題があると感じています。何かきっかけがあれば一気に動き出す力はありますが、日頃から自ら課題を見つけ、主体的に取り組むという点では弱さもあります。

今回の研修で1on1を通じたコミュニケーションを学び、対話の土台はできつつあります。ただ、「大変だよね」と寄り添うだけでなく、その先に「こういう方向に進もう」と示し、部下を引っ張っていく力が必要だと感じています。会社としてのビジョン、そして管理職自身のビジョンを持ち、それを言葉にして伝えていくことが重要です。

せっかく対話ができるようになってきているので、それを事業の推進力につなげていきたい。人を引っ張るリーダーシップのあり方についても、今後さらに取り組んでいければと考えています。

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